2010年12月13日月曜日

ゲームの世界観とはなにか

 

...play a game...photo © 2010 Andreas Firyn | more info (via: Wylio)

ゲームデザインのお勉強として「ヒットする」のゲームデザイン――ユーザーモデルによるマーケット主導型デザインという本を読んでいる。マーケット主導云々というとなにやらおもしろいゲーム作りたいという目的から外れたことやらせようとしてんじゃないかという感じがするが、「あるデザインはこんなユーザーは喜ぶが別のユーザーは喜ばないかも」という至極まっとうな説明のために、最初にこんなユーザーモデルがありますよと説明しているというものであった。まあ、こう売りたかったらこういうユーザーに受けるように作ってね、という話ももちろん入っているが。ゲームがどういう要素で構成されててそれらがどんな名前で呼ばれててどういう事を考えてデザインするのか、というのがざっくり説明されててなかなか良い本だった。値段も技術書としては平均的なところ。

そのなかでふむふむと唸って読んだ章がⅡ部8章のゲーム世界観という箇所だった。ゲーム世界観というのはいわゆる世界設定の事ではなく、ゲーム内の世界のルールのことを指すらしい(少なくともこの本では)。ゲーム世界観はゲーム世界の性質、プレイヤーと世界のやり取り、世界の表現方法などのルールで、ゲームでは様々な制約や都合により現実世界とは異なる抽象化された世界が表現されるため、これを定める必要がある。すべてのゲームには世界観が存在し、たとえば本の中で例に挙げられていたパックマンで言うなら「世界は2Dの迷路で構成されていて、パックマンがこの迷路を動きまわってドットを食べて点数を上げる。カラフルなモンスターと接触すると死ぬ。迷路の端まで移動すると反対側に現れる。」というようなものだ。

パックマンの要約はほぼゲームプレイの部分の説明だが、世界観を構築することはより難しい作業であり、紙の上ではよく見えたものが実際には技術や予算(時間)の制約から実現不可能であったりプレイに適さなかったりという落とし穴があるので、これらを回避しなければならない。そして実現可能であるだけでなく、ゲームの長所を引き出し、ターゲットユーザーに合った世界観をゲームデザイナーは構築しなければならない、らしい。

以上のような話のほかに、世界観に関わる内容(リアリティ・視点・アバターとエージェント・世界の分割・時間の扱いなど)がこの8章で扱われている。それらの表象を組み合わせ、調和の取れて首尾一貫したゲーム世界観を創り上げることが重要だ。それに失敗した場合、プレーヤーはゲーム内の世界の論理を学習できず、予想がしばしば裏切られ、苛立ちを募らせることになる。